19話捏造話。
予告と雑誌バレから素敵に妄想してます。
結構な感じに、アレです。
それでもOKな方はスクロール。























 いつかこの日が来ることは解っていた。
 それは刹那が思っていたよりもずっと遅く、ともすればこのままどちらかが死ぬまで暴かれる事はないかもしれないと思ったこともあった。
 けれどやはり覚悟はしていたので、遂に目の前の男からそれを問い質された時、刹那はいっそ安堵さえ覚えていた。
「……冗談だろう?刹那」
 彼は―――ロックオンは、必死に笑おうとしている様だった。
 馬鹿馬鹿しいと一蹴しない程度には、彼もまた解っているのかもしれない。
「お前がテロに…加担してた、なんて…」
 スローネのパイロットから告げられた言葉が、偽りではないことを。
「…冗談なんかじゃない」
「―――嘘だ」
  嘘じゃない。―――聞いてきたのはお前の方だ、ロックオン・ストラトス。
「…一番簡単なのは爆弾だ。計画の当日に、一人に一つずつ渡される。使用方法は自由だったが、殆どの仲間はそれを抱え、神の名を叫びながら人ごみの中に消えていった。死は神の御許に行けること。…恐れる者なんか、いなかった」
「……やめろ」
「ターゲットは誰でもいい。侵略者には神の代わりに裁きを、同胞には解放という名の救いを。殺した人間の数はそのまま、俺たちの誉れになった…」
「やめろ、刹那っ!」
 悲鳴の様な彼の声を、初めて聞いた。右手に握られた銃口が、刹那の眉間に突きつけられる。
 トリガーに掛けられたその指が自分に触れることは、もう二度とないだろう。
 一対の碧の瞳が、見たこともない色で刹那を射抜く。
 怒り、哀しみ、憎悪と絶望。
 一度たりとて彼から向けられた事の無い感情の波に、けれど刹那の心は不思議な程に凪いでいた。
 頼みもしないのに寄ってきて、一方的な世話を焼いていたのは、ロックオンだ。身勝手な情を押し付け、期待して、裏切られたと憤る彼の姿は、刹那の目に酷く滑稽なものの様に映った。
 なんて愚かで、哀れな男。
「―――聖戦へ臨む子供には、一つ課題が課せられる。それが何だか知っているか?」
 たぶん、ずっと前から気付いていた。
 あの夜の浜辺で、彼が感情を露にした時より、ずっと前から。
 ロックオンは、自分から大切な存在を―――愛する家族を奪ったテロを憎んでいる。
 ならば始めから自分たちは、決して相容れることなんか出来はしなかった。
「一番近しい存在を、神の元へ送る。……俺はこの手で、両親を殺した」
 ロックオンの瞳がゆっくりと見開かれる。向けられた銃口が、一度大きくぶれた。
 出来る事なら大声で笑いたかったが、所詮欠陥だらけの刹那の体では、僅かに口の端を持ち上げる事さえ出来ない。
「どうして…」
「―――母さんも、同じ事を言っていた。今のあんたと同じ目をして、どうしてと…」
 閉じた瞼の裏で、ロックオンの姿に一人の女性が重なった。決して平和ではなかったけれど、その人はいつもたおやかな指で髪を梳いては、愛しげな眼差しを自分へと向けていた。
 最後の、あの時までは。


 ―――ああ。その目になら、俺は殺されてたって構わない。


「それでも、あんたにだけは…知って欲しくなかった」






19話妄想。本編全然違った、あはは(当たり前)
兄さんが思ってたよりずっと大人でした。
せっちゃんの親殺しがなかったのはアニメ規制か…。


2008.02.16