CAUTION !


17話時点で、本編見る気力もなかった時の心境を黒アニューさんに代弁して頂いた小説です(以前は感想の所に載せてました)
アニュー離反後でリヴァイブがアニューより先に死んじゃったらの妄想文
ライルも出てきますが、アニュライというよりはリヴァアニュです
アニュー真っ黒注意。本編のライルに対してちょっと毒
大丈夫な方はずずっとスクロールして下さい



















































 凝縮されたGN粒子が、正確にガデッサのコックピットを貫いた。脳を突き刺すような断末の絶叫に、アニュー・リターナーはヘルメットの上から両の耳をきつく押さえる。
 しかし彼女らイノベイターの脳量子波を前に、物理的な制圧は何ら意味を為さず。眩く視界を焼く炎の渦から目は逸らせぬまま、頭に響いていた声は酷く唐突に、ブツリと音を立てて止んだ。
「―――リヴァイヴ?」
 アニューの呼びかけに、半身の応えはない。最早ただの鉄の破片へと姿を変えてしまったガデッサの残骸が、モニターの中を漂っている。
『リヴァイヴがやられた!一旦退いて、立て直すよ!』
「嘘……」
 ヒリングは何を言っているのだろう。現実を受け止める事を放棄したアニューの脳は、ひたすらにリヴァイヴの子波を受け取ろうともがき続ける。
「嘘よ…。リヴァイヴが…私を置いて…、そんな…」
『アニュー…』
「―――誰?」
 返らない応答。この身を焼かれるような苦しさは、半身を失った喪失感か、それとも―――
「誰が…リヴァイヴを…っ!」
 彼が最後に感じた痛みだろうか。
 リヴァイヴを撃ったビームの軌跡を、振り返る。その先に見えた、深緑のガンダム。―――あの機体の搭乗者を、アニューは知っている。
「ライル・ディランディ―――っ!!」
 ヒリングの制止も聞かず、アニューはビームサーベルを引き抜いてケルディムに斬りかかった。アニューは戦闘型としては造られてはいない。同じイノベイターでも、MSの扱いはリヴァイヴやヒリングには大きく劣る。それでもケルディムのパイロット―――ライル・ディランディは、今尚自分に絆されている。
 ライルに自分を殺すことは出来ない。
 優越に、アニューの唇が歪む。負ける気は、しなかった。
『アニュー、やめてくれ!』
 大振りの一撃は簡単に受け流され、向こうから映像付きの音声回線が開かれた。ヘルメットを脱ぎ捨てたライルは、防戦一方になりながらも、こちらに向かって何かを叫び続けている。
『今ならまだ間に合う、戻ってくるんだ!イノベイターだろうが何だろうが、そんなの関係ないだろう!』
「人間が、知った口を…っ!」
 この五月蝿い通信を切ってしまいたかったが、その時間すら惜しい。それならば、殺してしまった方が早いだろう。グリップを握る手に、アニューは力を込める。
『一緒にいこう。アニューはおれが守るよ…。―――あんたを、愛しているんだ。だから…っ!』
「はっ、愛だなどと…笑わせるな!」
『アニューっ!』
 何処までも愚かな人間。アニューは嘲るようにライルの言葉を繰り返す。疑似人格の間ならばあれほど胸躍っただろうライルの言葉も、今のアニューには只の雑音にしか聞こえなかった。
 ライル・ディランディ、お前には解るまい。一つの細胞から分かたれた、唯一無二の存在を奪われた痛みなど。その存在から、逃げ続けてきたお前には―――!

「己の半身すら疎むお前の言葉など、信じられる筈もないっ!」





ですよねーーー。

 ライルのペラッペラさは本編仕様です、ご無礼☆\(^o^)/←自棄

2009. 某日